[2001.04.11]
  本当に批判すべきもの


 ▼Mac OS X日記:Linux,Docklingとメモリ(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0104/09/c_xdiary8.html


 マックの周辺が騒がしい。が,おおむね原因は別のところにある。

 チュック・トポレックの「マックOS Xはリナックスの驚異となるか?」というテキストは興味深い。OS Xはデスクトップリナックスが普及することを阻止する始まりであり,デスクトップにリナックスを普及させようとするデペロッパーの希望と夢をしぼませる。OS Xユーザーは,リナックスユーザーのようにカーネルを追加できるようになったし,リナックス同様にBSDアプリケーションを動かすこともできて,同時にマイクロソフトオフィスも起動できる。

 マックの周辺が騒がしい。リーナス・トーバルトがOS Xを批判したという記事(CNET Japanの記事)があふれているが,どれを読んでもOS Xを批判している記事はない。リーナスは,OS Xのカーネルとなっている「マーク」を批判しているに過ぎないし,そんなのは_いつものこと_だ。リーナスのモノリシックカーネル信仰はなかなかすさまじいもので,それによってリナックスはシンプルさと,それに付随するパフォーマンスのよさを多いに発揮している。ただ,それを「時代遅れ」だとする言い分は十分に成り立ち,マックOS XやウインドウズNTなど進化したOSは,マイクロカーネルの強力な力を発揮している。もちろんリーナスにとっては,マイクロカーネルはすべて敵であり,批判するのは当然。OS Xに的を絞った扇動的なマスコミの見出しが腹立たしいだけだ。そして,記事にあるトポレックのテキストは,その意味で的を得ている。マイクロカーネルとモノリシックカーネルの争いなんて,すでにマイクロカーネルの優位性で終わっているが,リーナスのような意地の人は,マイクロカーネルへの批判は終わらない。

 もうひとつは,デルコンピューター社のマイケル・デルがアップルを批判したという記事(MacWIRE ONLINEの記事)。だが,デルの発言はある意味では真実で,アップルの閉塞性は誰でも感じること。それに対して,批判しているテキストのあまりの幼稚さが目に付くだけ。こんな人間がアップルにエバンジェリストとしてメディアに出ているだけで,アップルの未来は暗くなる(まぁもともとエバンジェリストを自称する輩にロクなものはいないが)。なにが幼稚かって? なら訊こう。ジョブズが85年にアップルを追放されたのはなぜか? それは,デルのようなある意味成功を約束できる経営者を欲したアップルではないのか? ならば,デルが今のアップルに見る目を持たないのは当然のことであり,マックを好きな人たちは,皆,デルの視点と同じ不安を持っている。今のジョブズは20代の頃の彼とは比べものにならない堅実さを持ちあわせているが,それでもやはり普通の経営者とは違う原理で動いているのはわかる。それに不安をおぼえる者はいて当然だ。そんなことも考えらず「好きだと云え」などと云う伝道者など,百害でしかない。


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